Eコマースサイトの構築というと、日本では多くの企業が利用しているBASEがまず思い浮かぶかもしれません。
しかし、カナダのShopifyは、言語、通貨、国際配送に対応し、日本語にも対応しているなど、高度なサービスを提供していることから、最近では広く利用されるようになっています。
ゴーゴーカレー、オリオンビール、サンリオなどの人気企業も、すでにShopifyでECサイトを構築しています。
そこで今回は、ShopifyとBASEの違いを「価格」「デザイン」「機能」の観点から分析・比較し、お客様が目的に合った最適なプラットフォームを見つけられるよう、解説します。
Shopifyとは
Shopify(ショッピファイ)は、カナダの企業が提供する、世界175ヶ国・100万ショップ以上で利用されているECサイト構築プラットフォームです。2017年には日本法人も設立され、日本国内でも多くのECサイトがShopifyを導入しています。
BASEとは
「BASE(ベイス)」は、年会費や月額料金が0円で誰でも簡単にネットショップを制作できるサービスで、現在180万店舗以上が利用しています。
テレビCMなどでも頻繁に宣伝され、日本国内での認知度は非常に高く、ネットショップ開設実績5年連続No.1のECプラットフォームです。
BASEは、商品が売れたときにのみ手数料がかかる仕組みを採用しており、初めてECサイトを開設する際に「売れるかわからない」という不安を感じている方でも気軽に始めることができます。
決済機能やショップ運営に必要な機能がシンプルな操作で利用できるため、PCが苦手な方でも誰でも簡単にオンラインショップを開設・運営することができます。
まずは、ShopifyとBASEの料金を比較します。
月額利用料の比較
ShopifyとBASEの初期費用、月額料金は以下表の通りです。
Shopify | BASE | |
---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 |
月額費用 | 29ドル〜299ドル(年払い利用時) | 0円 |
ShopifyとBASEの利用開始費用は無料ですが、BASEではさらに月額利用料が無料になります。一方、Shopifyは最低29ドル、または1ドル=135円換算で月額約3,940円(税込)が必要です。そのため、月々の支出を最小限に抑えたい方には、BASEが適しています。
各種手数料の比較
続いて、「決済手数料」「取引手数料」「入金手数料」を比較してみます。
Shopify | BASE | |
---|---|---|
決済手数料 | 3.25~4.14% | 3.6%+40円 |
取引手数料 | 0円(Shopify payment利用) | 3% |
入金手数料 | 0円(Shopify payment利用) | 2万円未満:750円(事務手数料500円を含む) 2万円以上:250円 |
入金サイクル | 毎週金曜日に入金 | 振込申請から10営業日 |
決済手数料については、ShopifyとBASEの間にかなりの格差があるわけではありません。
Shopifyが取引手数料や入金手数料を無料にしていても、BASEは手数料がかかります。
月商が10万円を超えるような企業であれば、BASEよりもShopifyの方がコスパが良いと言えます。
さらに、支払いサイクルにも大きな違いがあります。
Shopifyは金曜日に入金されますが、BASEは電信送金依頼が必要で、申し込みから入金まで10営業日かかります。
振込のたびに入金手数料がかかるので、売上金を速やかに引き出したい場合は、Shopifyをお勧めします。
次に、Shopify(ショッピファイ)とBASEのデザインテンプレートを比較します。
Shopify | BASE | |
---|---|---|
テンプレート | 無料:18種類 有料:80種類以上(150ドル~) |
無料:11種類 有料:60種類以上(5,000円~) |
商品登録数 | 無制限 | 無制限 |
Shopifyは多くのデザインモデルを提供しており、無料と有料の両方があります。
有料テンプレートの料金は、Shopifyが150ドル(1ドル135円換算で20,400円)以上、BASEが5,000円以上となっています。
このように、店舗のデザインは目で見て考えることが重要なので、いろいろなテーマを比較して、自分好みのものを見つけてください。
続いては、ShopifyとBASEの機能を比較してみましょう。
集客機能の比較
SNS連携やSEO機能の比較をします。
機能 | Shopify | BASE |
---|---|---|
SNS連携 | ・Instagram ・TikTok ・LINE公式 |
・Instagram ・LINE公式アカウント ・Ameba |
ブログ | ||
メルマガ | ||
レビュー | ||
SEO対策 | ・タイトルタグ ・メタディスクリプション ・ページヘッダー |
・タイトルタグ ・メタディスクリプション ・商品ページが「SEO設定APP」で可能 |
GA(GoogleAnalytics) |
ECサイトの検索エンジン最適化(SEO)対策で集客を成功させるために、ShopifyとBASEでは、titleタグ(ページタイトルを表すHTMLコード)とmeta description(ページ内容を100文字程度で簡潔に表現したもの)を設定することができます。
タイトルタグとメタディスクリプションを正しく設定することで、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでのサイトの視認性を高めることができます。
さらに、Shopifyは多くのソーシャルメディアプラットフォームと提携しており、顧客を獲得するために必要な要素となっています。
特に、Shopifyは、広く普及しているTikTokやPinterestに適しており、あらゆる年齢層のオーディエンスとのつながりを可能にします。
販促の比較
続いて販促機能を比較します。
機能 | Shopify | BASE |
---|---|---|
値引き | ||
クーポン | ||
再入荷通知 | ||
かご落ち防止 | ||
デジタルコンテンツ販売 | ||
年齢制限 | ||
多言語対応 | ||
外貨表記 | ||
海外配送 |
表からもわかるように、販促機能の面ではShopifyが強いです。注目すべきポイントは「かご落ち防止機能」「多言語対応」です。
かご落ち防止機能
「かご落ち」とは、オンラインショップで商品をカートに入れた後、購入を断念してしまうことを指します。
デジタルショップの平均離脱率は約70%と言われており、コンバージョン率を高めるための施策が必要です。
Shopifyでは、指定した時間経過後にチェックアウトページから離脱した消費者に対して、メールで催促を送るシステムを導入することが可能です。
通知が自動的に出るように設定できるので、カゴ落ちを抑止するのに便利な方法です。
多言語対応
BASEは英語版のみですが、Shopifyは19カ国語に対応しており、国際的に通用します。
さらに、Shopifyは世界各地への配送、多様な支払い方法、各国の税制にも対応しており、国境を越えたEコマースマーチャントにとって最良の選択となります。
最後に、決済機能を比較します。
機能 | Shopify | BASE |
---|---|---|
決済方法 | ・クレジットカード ・キャリア決済 ・銀行振込 ・コンビニ決済 ・代引き ・Pay-easy ・PayPal ・Apple Pay ・Google Pay ・Shop pay ・Amazon Pay ・後払い など |
・クレジットカード ・キャリア決済 ・銀行振込 ・コンビニ決済 ・Pay-easy ・PayPal ・後払い |
前述の通り、ShopifyはApple PayやGoogle Payなど、より豊富な決済手段を選べるのが魅力です。
ShopifyとBASEはともに一般的な取引手続きが可能ですが、BASEは代引きのオプションを除外しています。
ShopifyとBASEについて、価格、デザイン、機能性などの観点から検証しました。
結論から言うと、ゼロからECサイトを立ち上げる方や、パソコンや英語に不慣れな方には、BASEがおすすめです。
一方、Shopifyは、海外での大きな成長が期待できる場合や、本格的な展開を望む場合に、有力な選択肢となることがわかります。
ただし、販売する商品、商品量、重視する市場によって、最適なプラットフォームを選択する必要があります。
また、Eコマース市場の急速な進化に伴い、特に機能面におけるアップデートのペースも考慮する必要があります。
そのため、それぞれの最新情報やメリット・デメリットを調査・比較し、自分のニーズに合ったプラットフォームを選ぶようにしましょう。